システムの概要
本セクションでは、MiSeq i100 Plusシステムの概要(ハードウェア、ソフトウェア、データ解析、ラン管理に関する情報など)について説明します。仕様、データシート、アプリケーション、および関連製品の詳細については、MiSeq i100 Plusシステムのサポートサイトを参照してください。

機能 |
内容説明 |
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XLEAP SBSケミストリー |
MiSeq i100 Plusシステムは、XLEAP SBSケミストリーを使用します。このケミストリーは、標準SBSより短いシーケンスラン時間で高品質なデータを生成します。この性能向上は、改良されたヌクレオチドブロッカーまたはリンカーと、より反応速度が速く、正確性の高いポリメラーゼによりヌクレオチドが取り込まれることで実現されます。 |
パターン化フローセル |
MiSeq i100 Plusシステムは、シーケンスの品質と効率を向上させるよう設計されたパターン化フローセルを使用します。パターン化フローセルはナノウェルで構成されており、フローセルの表面にある固定された特定の位置のナノウェルに相補的なDNAプローブが含まれています。この特徴により、クラスター部位をマッピングする必要がなくなり、シーケンス時間が短縮され、フローセル上のスペースの使用効率が向上します。 フィルターをパスするクラスターのパーセンテージ(%PF)の計算方法の違いから、パターン化フローセルを使用する装置に表示される%PF値は、パターン化フローセルを使用しない装置よりも低くなります。%PFが低くても、全体的な収量には影響しません。 |
CMOS |
MiSeq i100 Plusシステムは、CMOSチップと統合された状態のナノウェルを備えたパターンドフローセルを使用します。各ナノウェルは、対応するフォトダイオードと連携しており、このフォトダイオードがウェルの底部で発光を検出します。これにより、シーケンスのターンアラウンドタイムがより短縮されます。 |
2チャネル |
MiSeq i100 Plusシステムは2色ケミストリーを使用するため、各シーケンスサイクルで青と緑のチャネルを使用してフローセルを迅速にイメージングできます。 MiSeq i100 Plusシステムは、2チャネルの励起と1チャネルの発光を使用する励起/発光ストラテジーを特長としており、これによりシーケンスのターンアラウンドタイムがさらに短縮されます。
A:緑と青のシグナルを持つクラスター。 G:緑と青のシグナルをどちらも持たないクラスター。 T:緑のシグナルのみを持つクラスター。 C:青のシグナルのみを持つクラスター。 |
インデックスファーストシーケンス |
MiSeq i100 Plusシステムは、インデックスファーストシーケンスを使用します。そのため、ユーザーはランの開始から3時間以内にデマルチプレックスデータを評価できます。インデックスファーストシーケンスにより、必要に応じて後続のラン計画を同じ日に行うように調整できます。 |
室温消耗品 |
MiSeq i100 Plusシステムの消耗品は室温で配送および保管されるため、包装材が削減され、消耗品の準備が容易になり、冷蔵庫が必要ありません。 |
オンボード変性 |
MiSeq i100 Plusシステムは、一本鎖および二本鎖のシーケンステンプレートに対応しています。テンプレートライブラリーの準備には、シーケンスキットに付随する各バッファーによる希釈手順が含まれます。このバッファーはシーケンス消耗品パッケージ内にセットされています。テンプレートはオンボードで変性されるため、ワークフローの複雑さが軽減されます。 |
Illumina Run Manager |
Illumina Run ManagerがMiSeq i100 Plus Control Softwareに統合されており、ウェブブラウザーを使用してリモートでランの計画、ランのレビュー、一部の設定の管理を行うことができます。「Illumina Run Manager」を参照してください。 |
キオスクモード |
MiSeq i100 Plusシステムには、システムのセキュリティを強化し、権限のないユーザーがオペレーティングシステムにアクセスするのを防ぐため、キオスクモードを採用しています。管理者がウイルス対策ソフトウェアなどのサードパーティアプリケーションをインストールするためにオペレーティングシステムにアクセスする必要がある場合は、イルミナに連絡して、オペレーティングシステムにアクセスするための一時アクセスコードを取得します。 |
DRAGEN圧縮 |
DRAGEN ORA圧縮は、*.fastq.gzよりも圧縮率が高い完全な可逆圧縮です。DRAGEN ORAのサポートサイトを参照してください。 |

機能 |
内容説明 |
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ライブラリーのクオリティ |
アダプターダイマー、プライマーダイマー、ライブラリーの部分的な構築、および夾雑物は、データ品質とシーケンスの収率を損なう可能性があります。品質管理や不要なライブラリー調製残留物の視覚化には、キャピラリー電気泳動法(Bioanalyzer、Fragment Analyzer、Tape stationなど)を使用できます。さらにビーズ精製ステップを使用して、夾雑物を除去することもできます。 |
ライブラリー定量 |
正確なライブラリー定量は、システムへのテンプレートの最適なローディングに不可欠です。最良の結果を得るため、ライブラリー調製ガイドに記載されている推奨の定量法に従ってください。ガイダンスが提供されていない場合は、一貫性と正確さを確保するため、サイズで正規化されたqPCRによるライブラリーの定量を使用してください。 |
ローディング濃度 |
最適濃度を検討するためのランを実行して、最適なローディング濃度を特定します。ローディング濃度を最適化する際は、100 pMを中心とし、25~50 pMずつ濃度を微調整します。 |
塩基多様性 |
塩基多様性が低いライブラリーは、テンプレートレジストレーション、データ品質、および収量に悪影響を及ぼす可能性があります。ライブラリーの塩基多様性の低さを補うため、PhiX Control v3ライブラリーをシーケンス用に添加してください。最適な性能を得るために必要な添加の量を特定するため、最適濃度の検討実験が必要になる場合があります。 |
インサートサイズの表現 |
一部のライブラリーでは、ローディング濃度が増加するにつれてインサートサイズが減少する可能性があります。ライブラリーとアプリケーションの最適な範囲は、ワークフローの要件によって異なります。 |