ネットワークの考慮事項
NextSeq 1000/2000システムは、ネットワークに接続して使用するように設計されています。NextSeq 1000/2000の制御コンピューターではCentOSが実行され、SELinuxが有効化されています。NextSeq 1000/2000では、暗号化を有効にできません。
Manualモードでのラン実行には、ランデータをネットワーク上のストレージロケーションに転送するためのネットワーク接続が必要です。ランデータは外部ドライブまたはネットワークドライブに保存することを推奨します。NextSeq 1000/2000システムに搭載されたローカルハードドライブは、自動転送の前にデータを一時的に保存することを目的とします。
以下の操作を実行するには、インターネット接続が必要となります。
• | Illumina Proactiveサポートへの装置性能データのアップロード(『Illumina Proactive Technical Note』(文書番号:1000000052503)を参照) |
• | (オプション)イルミナのテクニカルサポートによるリモートアシスタンス |
セキュリティとネットワーク
装置のセキュリティを確保するために、『Illumina Instrument Control Computer Security and Networking』(文書番号:1000000085920)でイルミナのセキュリティに関するベストプラクティスを確認することを推奨します。このベストプラクティスには、例えば、ファイアウォールの有効化や適切なアカウント設定の使用が含まれています。

以下の推奨事項に従ってネットワーク接続を設定および構成してください。
• | 装置とローカルデータ管理システム間には、専用の1ギガビット接続を使用してください。この接続は直接接続することも、管理されたネットワークスイッチを使用して接続することもできます。 |
• | 接続に必要な帯域幅は次のとおりです。 |
– | ローカルストレージ用として、装置1台当たり200 Mb/sのイントラネット帯域幅。 |
– | NextSeq 1000/2000 Control SoftwareおよびDRAGEN Workflows(~15 GB)のダウンロード用として、装置1台当たり最低5 Mb/sのインターネット帯域幅。ダウンロードは6時間後にタイムアウトします。1時間以内にダウンロードするには、装置1台当たり35 Mb/sの帯域幅が必要になります。 |
– | BaseSpace Sequence Hubクラウドストレージ用として、装置1台当たり10 Mb/sのインターネット帯域幅(Illumina Proactiveサポートを含む)。 |
– | ランモニタリングまたはIllumina Proactiveサポート専用として、システム当たり5 Mb/sのインターネット帯域幅。 |
• | スイッチを管理する必要があります。 |
• | スイッチなどのネットワーク機器には、1 Gb/s以上の容量が必要です。 |
• | 各ネットワークスイッチ上の負荷の総容量を計算してください。接続されている装置および補助機器(プリンターなど)の数も、容量に影響を与えることがあります。 |
• | 可能であれば、シーケンス用のトラフィックを他のネットワークから分離してください。 |
• | ネットワークケーブルはCAT-6ケーブルを使用することを推奨します(最低要件はCAT-5eです)。設置を始める前に、必要なケーブルが揃っていることを確認してください。 |

イルミナでは、ネットワーク接続の設定やテクニカルサポートを行っていません。
以下のような要素を考慮して、ネットワークアーキテクチャにイルミナのシステムとの適合性のリスクがないか確認してください。
• | IPアドレス競合の可能性:NextSeq 1000/2000システムには、169.254.0.0/16の範囲内でランダムな内部IPアドレスが割り当てられます。IPアドレスが競合した場合、システム障害が起こる可能性があります。NextSeq 1000/2000 Control Software v1.2.0以降は、「Docker」という仮想ネットワークインターフェースを備えており、そのデフォルトIPアドレスは172.17.0.1/16です。 |
• | IPの割り当て:NextSeq 1000/2000システムでは、DHCPまたはStatic IPの割り当てがサポートされています。 |

以下の表に制御コンピューターのネットワークポートおよびドメインを示します。ネットワーク構築の際には、これらの表を参照してください。

接続 |
値 |
目的 |
---|---|---|
OSの指定 |
enp5s0 |
内部コンポーネント間の通信(設置後は設定または変更しないでください) |
ドメイン |
localhost:* |
ローカルホスト対ローカルホストの通信用の全ポート(プロセス間通信に必要) |
ポート |
8081 |
Real-Time Analysis |
8080 |
NextSeq 1000/2000 Control Software |
|
29644 |
Universal Copy Service(UCS) |

接続 |
値 |
目的 |
---|---|---|
OSの指定 |
enp6s0 |
インターネット用の優先イーサネットポート(装置後部から見たときの右側のポート) |
enp2s0 |
NASやその他のネットワークストレージなど、任意で使用する二次ネットワーク接続用の優先イーサネットポート(装置後部から見たときの左側のポート) |
|
ポート |
443 |
BaseSpace Sequence HubまたはIllumina Proactiveの設定 |

Universal Copy ServiceからBaseSpace Sequence HubおよびIllumina Proactiveへのアクセスを提供する地域プラットフォームドメインについては、『Illumina Control Computer Security and Networking』を参照してください。