シーケンスの出力
このセクションでは、Real-Time AnalysisとReal-Time Analysisワークフローについて詳しく説明します。
Real-Time Analysisの概要
Real-Time Analysisソフトウェアは装置の制御コンピューターで実行されます。シーケンスランの間、このソフトウェアはイメージから蛍光強度を抽出してベースコーリングを行い、ベースコールに対するクオリティスコアを評価します。
iSeq 100システムはRTA2(Real-Time Analysisの実装版)を使用します。RTA2とコントロールソフトウェアがウェブHTTPインターフェースを通じて通信し、メモリーファイルを共有します。RTA2が終了した場合、処理は再開されず、ランデータは保存されません。
デマルチプレックスの計算は実行されないので、Sequencing Analysis Viewerでは[Index]タブは表示されません。

蛍光強度の抽出 |
各クラスターの蛍光強度値を決定します。 |
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フェージングの補正 |
フェージングとプレフェージングの効果を補正します。 |
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ベースコーリング |
すべてのクラスターのベースコールを決定します。 |
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クオリティスコアリング |
すべてのベースコールにクオリティスコアを割り当てます。 |

クオリティスコア、またはQスコアは、不正確なベースコールの確率の予測値です。高いQスコアは、ベースコールのクオリティが高く、従ってそれが正しい可能性が高いことを示しています。
Qスコアは、小さな誤り確率をコンパクトに表現する方法です。Q(X)はクオリティスコアを示しており、Xはそのスコアです。以下の表に、クオリティスコアとエラーの起こり易さの関連性を示します。
Qスコア Q(X) |
エラーの起こり易さ |
---|---|
Q40 |
0.0001(10,000分の1) |
Q30 |
0.001(1,000分の1) |
Q20 |
0.01(100分の1) |
Q10 |
0.1(10分の1) |
クオリティスコアリングはPhredアルゴリズムの修正版に基づきます。
クオリティスコアリングは、各ベースコールについて、いくつかの予測モデルのセットを計算し、その値をQuality tableから探索しQスコアとして割り当てます。Quality tableは、当該のシーケンシングシステム構成とケミストリーバージョンの組み合わせから得られるランに対して、最適なクオリティの予測値を与えるために作られています。
Qスコアの決定後、結果がベースコールファイルに記録されます。