シーケンス
iSeq 100上でのシーケンスは、クラスター形成、シーケンス、および解析の各ステップで構成されています。それぞれのステップはシーケンスラン中に自動的に実行されます。システム設定に応じて、ランの完了後に装置外で追加の解析が行われます。
• | クラスター形成:ライブラリーが自動的に一本鎖に変性され、さらに装置上で希釈されます。クラスター形成中、単一DNA分子がフローセルの表面に結合し、増幅されてクラスターを形成します。 |
• | シーケンス:クラスターは1色法ケミストリーを使ってイメージ化されます。1色法ケミストリーは1つの蛍光標識と2つのイメージ取得サイクルを使って4つのヌクレオチドの情報をエンコードします。初めのイメージ取得サイクルはアデニン(A)とチミン(T)を検出します。その後ケミストリーサイクルによってAから蛍光色素が解離され、同時に同様の色素がシトシン(C)に付加されます。2回目のイメージ取得サイクルではCとTを検出します。2回目のイメージ取得サイクルの完了後、Real-Time Analysisソフトウェアによってベースコーリング、フィルタリング、およびクオリティスコアリングが行われます。このプロセスがシーケンスのサイクルごとに繰り返されます。1色法ケミストリーについて詳しくは、「ベースコーリング」を参照してください。 |
• | 解析:ランの実行中に、データ解析用のベースコールファイル(*.bcl)が自動的に指定の出力フォルダーに転送されます。データ解析方法は、アプリケーションおよびシステム設定によって異なります。 |
カートリッジに対するライブラリーのローディング量は20 µLです。ローディング濃度はライブラリーのタイプとカートリッジによって異なります。
ライブラリータイプ |
ローディング濃度(pM) |
1 nMライブラリー量(µL) |
RSB量(µL) |
---|---|---|---|
100% PhiX(PhiXのみのランの場合) |
100 |
10 |
90 |
AmpliSeq Library PLUS for Illumina |
50 |
5 |
95 |
Illumina DNA Prep |
100 |
10 |
90 |
Illumina DNA Prep with Enrichment |
75 |
7.5 |
92.5 |
Nextera XT DNA |
150 |
15 |
85 |
TruSeq DNA Nano |
150 |
15 |
85 |
TruSeq DNA PCR-Free |
100 |
10 |
90 |
Illumina DNA PCR-Free Prep |
120 |
12 |
88 |
その他のライブラリータイプでは、最初のローディング濃度を50 pMとすることを推奨します。その後のランを行ってこの濃度を最適化し、一貫して仕様を満たすデータを出力するローディング濃度を決定します。
ローディング濃度が高すぎたり低すぎたりすると、クラスター形成とランのメトリクスが最適でなくなります。詳細については、『Cluster Optimization Overview Guide』(文書番号:1000000071511)を参照してください。
データ品質を最適化するため、各リードに対して最小26サイクルから最大151サイクルを入力します。適切なサイクル数は実験に応じて異なります。
最小および最大サイクル数は余分の1サイクルを含みます。フェージングとプレフェージングの影響を補正するため、必ず目的のリード長に1サイクルを加えてください。リード長はRead 1およびRead 2のシーケンスサイクル数です。これには余分なサイクルとインデックスサイクルは含まれません。
ランセットアップの例
• | 36のリード長(シングルリード)の場合、Read 1のフィールドに37と入力します。 |
• | 1リードあたり150のリード長(ペアエンド)の場合、Read 1のフィールドに151、Read 2のフィールドに151と入力します。 |
• | 試薬およびその他の化学薬品を取り扱うときは、保護メガネ、ラボコートおよびパウダーフリー手袋を着用してください。クロスコンタミネーションを防ぐため、指示があった場合は手袋を交換してください。 |
• | プロトコールを開始する前に必要な消耗品および機器が揃っていることを確認してください。「消耗品および機器」を参照してください。 |
• | 指定の量、温度、および所要時間を用いて、指定された順序でプロトコールを実施してください。 |
• | ストップポイントが指定されていない場合、直ちに次の手順に進んでください。 |
• | カートリッジをウォーターバスで融解する場合は、融解前に最低1日はカートリッジを-25℃~-15℃で保管してください。ウォーターバスは、3つある融解方法のうちで最も融解時間の短い方法です。 |
1. | 新しいパウダーフリーの手袋を着用します。 |
2. | -25℃~-15℃の保管庫からカートリッジを取り出します。 |
3. | カートリッジが箱に入っている場合、箱からカートリッジを取り出しますが、白いホイルバッグは開けないでください。 |
4. | 以下のいずれかの方法を使用して、 |
方法 |
融解時間 |
手順 |
||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
20℃~25℃、ウォーターバス |
6時間 |
|
||||||||||||
2℃~8℃、冷蔵 |
36時間 |
ラベルを上に向け、底面を含むすべての側面を空気が循環するようにカートリッジを配置します。 |
||||||||||||
室温 |
9時間 |
ラベルを上に向け、底面を含むすべての側面を空気が循環するようにカートリッジを配置します。 |
ドライアイスで保存された状態で納品されたカートリッジを到着後すぐにウォーターバスで融解すると、性能に悪影響を及ぼす場合があります。融解前に、-25℃~-15℃で1日以上保管してください。
5. | ウォーターバスからカートリッジを取り出したときに、 |